○徳島県経済飛躍のための中小企業の振興に関する条例

平成二十年三月三十一日

徳島県条例第十七号

徳島県経済飛躍のための中小企業の振興に関する条例をここに公布する。

徳島県経済飛躍のための中小企業の振興に関する条例

中小企業は、経済的社会的環境の変化に即応し、多様化する市場における需要に柔軟性及び機動性をもって的確に対応するとともに、新たな事業に果敢に挑戦し、新たな産業を創出する等、我が国の経済の基盤を形成し、その成長発展及び雇用の創出に大きく貢献してきた。

また、本県の中小企業は、先人のたゆまぬ努力と創意工夫により培われた高度な技術力を基礎として、木材加工業をはじめとする伝統的な産業から発光ダイオード、バイオテクノロジー等に関する最先端の産業に至るまでの様々な分野において活力ある産業を創出し、本県経済の活力の源泉として中核的な役割を担い、その成長発展及び県民福祉の向上に大きく貢献してきた。

しかし、近年、本県の中小企業を取り巻く環境は、少子化に伴う人口減少社会の到来による国内市場の規模の縮小、高度情報化や経済のグローバル化の急速な進展による競争の激化、団塊の世代の大量退職による技術の継承の問題の発生等、大きく変化してきている。

このような中で、本県の経済飛躍の実現を図るためには、中小企業者がそれぞれに有する能力を最大限に発揮し、進取の気質に富んだ県民性、本県ゆかりの豊富な人材、安全で安心な農林畜水産物、高度な技術力の集積、多様な交通手段等のたぐいまれなる本県の強みを活用しながら様々な分野において主体的かつ創造的な事業活動を行うことにより、強い競争力を有し、先進的で魅力ある企業へと成長発展していくことが不可欠である。

さらに、県、市町村、中小企業団体、大企業者、高等教育研究機関及び県民は、本県経済における中小企業の重要性や地域社会における役割を理解し、その円滑な事業活動が助長されるよう協力しながら支援していくことが必要である。

ここに、私たちは、本県の経済飛躍の実現にとって中小企業の振興が重要であることを明確にし、頑張る中小企業者が多様で持続的な事業活動を行うことができる環境の整備を推進すること等により中小企業の振興を図るため、この条例を制定する。

(目的)

第一条 この条例は、本県の経済飛躍の実現を図るため、中小企業の振興に関し、基本理念を定め、及び中小企業者、県等の責務、大企業者等の役割等を明らかにするとともに、中小企業の振興に関する基本方針及び施策の基本となる事項を定めることにより、中小企業の振興に関する施策を総合的に推進することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 経済飛躍 経済が飛躍的に発展することをいう。

 頑張る中小企業者 中小企業者(中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号。以下「基本法」という。)第二条第一項に規定する中小企業者であって、県内に事務所又は事業所を有するものをいう。以下同じ。)であって、主体的かつ創造的な事業活動に努めるものをいう。

 小規模企業者 基本法第二条第五項に規定する小規模企業者であって、県内に事務所又は事業所を有するものをいう。

 中小企業団体 商工会、商工会議所、中小企業団体中央会その他の中小企業に関する団体をいう。

 大企業者 中小企業者以外の事業者であって、県内に事務所又は事業所を有するものをいう。

 産学官の連携 企業、中小企業団体、高等教育研究機関、国、県又は市町村が相互に連携することをいう。

 高等教育研究機関 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する大学及び高等専門学校(以下「大学等」という。)並びに産学官の連携により中小企業の振興に係る研究及び事業化の促進に取り組む機関(大学等を除く。)をいう。

(平二八条例五八・一部改正)

(基本理念)

第三条 中小企業の振興は、本県の経済飛躍の実現を図るため、次に掲げるところにより行われなければならない。

 頑張る中小企業者及び小規模企業者(以下「頑張る中小企業者等」という。)を支援することにより推進されること。

 県、市町村、中小企業団体、大企業者、高等教育研究機関及び県民の協力により推進されること。

 県内外の産業界で活躍する本県ゆかりの人材(本県の出身者であることその他の本県と関係を有する人材をいう。以下同じ。)、本県の地域における地理的及び自然的な特性等の豊富な資源その他の本県の強み(本県の経済飛躍の実現を図るための中小企業の振興を行うに際し本県が有する優れた特性をいう。以下同じ。)の活用を図ることにより推進されること。

(平二八条例五八・一部改正)

(基本方針)

第四条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、次に掲げる基本方針に基づき、中小企業の振興に関する施策を講ずるものとする。

 頑張る中小企業者等の支援に係る態勢の整備を図ること。

 実践的な能力を備えた人材の育成を図ること。

 競争力の強化に資するための本県独自の企業ブランド(本県の企業に共通する当該企業又は当該企業が供給するサービス及び製品に対して信頼感等を与える独自の印象をいう。以下同じ。)の創出を図ること。

 新たな市場の開拓に関する挑戦的な取組を行う頑張る中小企業者等の販路の拡大の促進を図ること。

 戦略的な産業集積の促進を図ること。

 小規模企業者が行う事業の持続的発展のための取組を支援するとともに、小規模企業の多様で活力ある成長発展の促進を図ること。

(平二八条例五八・一部改正)

(中小企業者等の責務)

第五条 中小企業者は、基本理念にのっとり、自らを取り巻く環境の変化に即応して事業の成長発展を図るため、主体的かつ創造的な事業活動に努めなければならない。

2 小規模企業者は、その事業の持続的発展を図るため、円滑かつ着実に事業を運営するとともに、自らの成長発展を目指し、主体的かつ意欲的な事業活動に努めなければならない。

(平二八条例五八・一部改正)

(県の責務)

第六条 県は、基本理念にのっとり、本県の強みを活用した中小企業の振興に関する戦略的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(市町村に対する協力)

第七条 県は、基本理念にのっとり積極的に中小企業の振興に取り組む市町村に対し、情報の提供、技術的な助言その他の必要な措置を講ずるものとする。

(中小企業団体の責務)

第八条 中小企業団体は、基本理念にのっとり、県及び市町村が実施する中小企業の振興に関する施策への協力をはじめとして、経営資源の確保が困難であることが多い小規模企業者の経営の改善及び向上その他の地域の特性に応じた中小企業の振興に関する施策に積極的に取り組むよう努めなければならない。

(平二八条例五八・一部改正)

(大企業者の役割)

第九条 大企業者は、基本理念にのっとり、中小企業が地域社会の発展はもとより、自らの事業活動の維持及び発展に欠くことができない重要な存在であることを認識し、中小企業が供給するサービス及び製品(以下「中小企業のサービス等」という。)の利用等に努めるとともに、県、市町村及び中小企業団体が実施する中小企業の振興に関する施策に積極的に参画し、及び協力するよう努めるものとする。

(高等教育研究機関の役割)

第十条 高等教育研究機関は、その活動が中小企業の振興に資するものであるとともに、産学官の連携による取組が中小企業の振興にとって重要なものであることにかんがみ、人材の育成並びに研究及びその成果の普及に自主的に努めるものとする。

2 県は、中小企業の振興に関する施策で大学等に係るものを策定し、及びこれを実施するに当たっては、研究者の自主性の尊重その他の大学等における教育研究の特性に配慮しなければならない。

(県民の理解と協力)

第十一条 県民は、基本理念にのっとり、中小企業の振興が地域経済の活性化及び県民生活の向上に寄与することについて理解を深め、中小企業のサービス等の利用等により当該振興に協力するよう努めるものとする。

(頑張る中小企業者等の支援に係る態勢の整備)

第十二条 県は、県内外の産業界で活躍する本県ゆかりの人材の積極的な参画により、その優れた知識、技術、人脈等を生かして効果的かつ効率的な頑張る中小企業者等の振興に関する施策を策定し、及び実施するよう努めるものとする。

2 県は、徳島県中小企業・雇用対策事業特別会計及び民間からの資金協力を得たファンド等の活用といった創意工夫により必要な財源の確保を図るとともに、金融機関との一層の連携を図ることにより融資、信用補完事業等の充実に努めるものとする。

3 県は、頑張る中小企業者等の課題の把握に努め、当該課題の解決のために一元的かつ総合的な支援を行うための機能の充実に努めるものとする。

4 県は、中小企業の身近な支援機関である中小企業団体の機能の強化を促進することにより、頑張る中小企業者等の支援に係る態勢の充実に努めるものとする。

5 県は、頑張る中小企業者等の円滑な事業活動を推進するため、当該事業活動に必要な情報通信技術及び交通に係る基盤の効果的かつ効率的な整備及び活用の促進に努めるものとする。

6 県は、頑張る中小企業者等の円滑な事業活動を推進するため、本県における頑張る中小企業者等に対する規制の緩和及び行政手続の簡素化に努めるものとする。

(平二八条例五八・一部改正)

(実践的な能力を備えた人材の育成等)

第十三条 県は、中小企業の事業活動を支える人材を確保するため、次代を担う若年者並びに実践的な技術力及び経営力を有する就業経験者を対象とした企業での実習の機会の提供に努めるとともに、産業界の需要に応じた技術及び技能を有する人材の育成、経営に関する総合的かつ体系的な研修の実施その他の必要な施策を講ずるものとする。

2 県は、中小企業の振興に資する新たな産業の創出を促進するため、女性の経営者及び青壮年の経営者の創造的な事業活動の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

3 県は、中小企業の持続的な発展を促進するため、これまで蓄積された知識、技術及び技能並びに事業の次代への継承に資する情報の収集及び提供その他の必要な施策を講ずるものとする。

(競争力強化のための本県独自の企業ブランドの創出)

第十四条 県は、中小企業の競争力の強化に資するための本県独自の企業ブランドの創出を図るため、本県の企業による独自のサービス及び製品を開発するための取組並びに企業防災力(災害に関し適切な危機管理を行うことにより災害発生後においても継続して事業を行う能力をいう。)、環境経営力(環境への負荷の低減に貢献し、環境と調和のとれた経営を行う能力をいう。)、情報通信技術を活用する能力等の強化により様々な課題を解決する能力を高め、これを当該企業の優れた特性とするための取組に対して支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

(新たな市場開拓に挑戦する頑張る中小企業者等の販路の拡大等)

第十五条 県は、新たな市場の開拓に関する挑戦的な取組を行う頑張る中小企業者等の販路の拡大を促進するため、大都市圏での情報発信の拠点の充実を図るとともに、国内外の見本市、商談会等に出展する頑張る中小企業者等への効果的かつ効率的な支援、電子商取引の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

2 県は、中小企業のサービス等の利用等の気運の醸成に努め、需要の拡大の促進を図るとともに、中小企業のサービス等に対し自ら率先して試用すること及びその受注機会の増大を図ること、優れた中小企業のサービス等に対し顕彰することその他の中小企業のサービス等の需要の拡大の促進のために必要な施策を講ずるものとする。

(平二八条例五八・一部改正)

(戦略的な産業集積の促進等)

第十六条 県は、本県の強みを活用した産業集積を促進するため、中小企業のみならず大企業、高等教育研究機関等の積極的な参画の下、産業集積に係る戦略的な構想を策定し、その計画的な推進に努めるものとする。

2 県は、中小企業の振興に資する新たな産業の創出を促進するため、産学官の連携の下、農林水産業と商工業、医学と工業などの異分野にわたる連携による実践的な研究開発を強化することにより、中小企業への技術移転及び事業化の促進、知的財産の創造、保護及び活用その他の必要な施策を講ずるものとする。

3 県は、中小企業の振興に資する企業の立地及び設備投資を促進するため、市町村等との連携を通じて事業に利用できる用地及び施設の情報の収集及び提供、資金の供給の円滑化その他の必要な施策を講ずるものとする。

4 県は、中小企業の振興に資するため、魅力ある商業の集積及び活性化に係る頑張る中小企業者等、中小企業団体等の意欲的な取組に対する支援に努めるものとする。

(平二八条例五八・一部改正)

(小規模企業の振興)

第十七条 県は、活力ある自立的な経済を構築するために、雇用を支え、新たな需要に的確かつ迅速に対応できる小規模企業の振興に努めるものとする。

2 県は、小規模企業が地域経済の安定化に果たす役割の重要性を認識し、創業及び起業、小規模企業者の事業の承継並びに人材の育成及び確保、地域の観光の振興等の視点に立った施策を講ずるものとする。

3 県は、小規模企業者の円滑かつ着実な事業活動に対する支援に努めるとともに、頑張る中小企業者を目指す小規模企業者の主体的かつ意欲的な事業活動に対する支援に努めるものとする。

(平二八条例五八・追加)

(推進体制)

第十八条 県は、中小企業の振興に関する戦略的な施策の策定及びその実施の推進のために必要な体制を整備するものとする。

(平二八条例五八・旧第十七条繰下)

(その他の施策)

第十九条 県は、この条例で定めるもののほか、中小企業の振興に関し、本県に係る経済的社会的諸条件の変化に伴い必要となる施策を策定し、及び実施するものとする。

(平二八条例五八・旧第十八条繰下)

附 則

この条例は、公布の日から施行する。

附 則(平成二八年条例第五八号)

この条例は、公布の日から施行する。

徳島県経済飛躍のための中小企業の振興に関する条例

平成20年3月31日 条例第17号

(平成28年10月31日施行)